【感想・あらすじ】夜のピクニック by 恩田 陸さん〜一番大好きなオススメ青春小説〜
恩田 陸さん著「夜のピクニック」の感想・あらすじを紹介します。
本書は、僕がもっとも大好きな青春小説です。
高校の伝統行事である「歩行祭」で起こる恋愛や友人関係のエピソード、同じクラスにいる異母兄弟との葛藤など、シンプルなストーリーの中に、高校生らしさが詰まっています。
きっと同じことを考えていただろうと思えるシーンや、もっと青春しておけばよかったと悔しい気持ちが湧いてくるシーンなど、読み応え抜群です。
「オススメの小説ある?」と聞かれたら真っ先に紹介するほど大好きな作品なので、ぜひあなたにも読んでいただきたいです。
では早速、「夜のピクニック」の感想・あらすじをお伝えしていきますね。
「夜のピクニック」あらすじ
「夜のピクニック」の主人公は、高校3年生たち。
高校の伝統行事である「歩行祭」が舞台です。
歩行祭は、朝8時から翌朝8時まで、ひたすら歩き続けるという行事です。
1時間毎の休憩や4時間ほどの仮眠を挟む他は、ゴールに向かって友人たちと歩き続けます。
物語は、ひたすら歩き続けるシーンが続くというシンプルなものですが、道中に明らかになっていく、人間模様が魅力的です。
もっともインパクトが強いものは、同じクラスに父親が同じで母親が違うという異母兄弟がいること。
つまり、父親の浮気相手の子どもが、同じクラスにいるのです。
そして二人は、「歩行祭」まで、ほとんど会話をしたことがないどころか、お互いに近づこうとすらしない関係でした。
しかし、友人たちの励ましや、ある事件がきっかけで、二人の距離はどんどん縮まっていきます。
紆余曲折があって、複雑な気持ちを味わいながらも、最終的には、普通の兄弟のような関係になっていくというストーリーです。
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
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「夜のピクニック」感想
「夜のピクニック」は、僕にとって、本当に大好きな小説です。
気持ちが疲れてしまったときや、高校生のようなフレッシュな心を取り戻したいときに読み返しています。
24時間かけて80kmを歩くというシンプルなストーリーですが、高校生らしいドラマが盛り沢山なところが魅力なのです。
例えば、異母兄弟のことでは、結婚していた妻の子どもが、浮気相手の女性の子どもに、恨み、嫉妬、憎悪のようなネガティブな感情を抱いています。
その原因は、父親の葬式で、浮気相手の女性が見せた態度にありました。
後ろめたさを感じるような態度ではなく、凛とした姿だったからです。
一方、自分の母親、つまり結婚していた妻の方は、明らかに普通ではない態度をしていました。
このことがきっかけで、異母兄弟に対して、ネガティブな感情を抱き、避けるような行動を取っていたのです。
しかし、僕は心の勉強をしているので分かるのですが、こうして避けているということは、本当は、話してみたい、仲良くなりたいという証拠。
異母兄弟それぞれの友人たちも、お互いが仲良くなりたがっているということを見破っていました。
そして、「歩行祭」での、二人に関係する恋愛事情や友人関係、偶然のような必然のような事件などにより、少しずつ距離が縮まっていきます。
こうした様子が、不器用だけど純粋な高校生らしさを感じて、僕の気持ちをワクワクさせてくれるのです。
「夜のピクニック」まとめ
「夜のピクニック」は、絶対にオススメの青春小説です。
読むと気持ちが高校生に戻ったかのような感覚になって、「もっと青春しておけばよかった」「自分だったらこうしたのに」というような感情を味わえます。
登場人物も個性的ですし、どのエピソードもすごく面白いものばかりです。
ぜひ「夜のピクニック」を読んでみてください。