【要約まとめ】最強のチームビルディング技術が身につく レベル別 課長養成講座(石見幸三さん)-「部下が育ってくれない」と悩む上司が読むべき一冊-
課長養成コンサルタント 石見幸三さん著「最強のチームビルディング技術が身につく レベル別 課長養成講座」を読んだのでご紹介します。
本書は、部下が思ったように育ってくれないと悩む上司が読むべき一冊です。
僕自身、数年前から部下を持つようになってからというもの、どうして部下たちは思ったように動いてくれないんだろうと悩み続けていました。
そんな中、本書に出会って、明らかに上司である自分から部下たちに対しての指示に課題があることがわかりました。
自分では、必要以上に丁寧に指示しているつもりでも、部下たちは、指示内容が理解できていない状況なはず。
本書では、5つのレベルごとにチームビルディングの方法を解説してくれていますので、一つ一つ実践していけば、きっとあなたのチームもより良いものになるはずです。
では早速、解説していきますので、続きをご覧ください。
レベル1 適切な指示を出す
本書のキモは、「レベル1 適切な指示を出す」だと思いました。
たぶん指示の出し方さえ、上司側がマスターすることができれば、チームビルディングの7割くらいは解決できるはず。
具体的には、ポジティブアプローチという方法で、問題解決をしていくことが推奨されています。
ポジティブアプローチというのは、本来のゴールを明確にして、ゴール達成に結びつけていく方法です。
例えば、お客さんが来たら挨拶するということができていないから、明日からは元気よく挨拶しようというのが、ポジティブアプローチの逆の、ネガティブアプローチです。
一方、ポジティブアプローチの場合は、お客さんに心地よく感じてもらうためには、何をしたらいいんだろうと考えます。
その結果として、元気よく挨拶するのがいいのではないかと仮説を立てて、お客さんに心地よく感じてもらうというゴールを目指すのです。
このゴール設定というのが、自分自身、一番できていないことだと気付きました。
というのも、上司である自分としては、当然に、「お客さんに心地よく感じてもらうために」という思いがあっての指示だけれども、部下は、たぶん「元気よく挨拶をしろと言われた」としか受け取っていないからです。
上司的には、ポジティブアプローチのつもりだけれども、部下的には、ネガティブアプローチだと思われているということです。
この捉え方の違いを正していくことが、適切な指示への第一歩目だと思います。
レベル2 部下の自主性を引き出す
次に必要になってくることは、部下の自主性を引き出すということです。
これがうまくできていない原因として、目的と目標が連動できていないことが指摘されています。
目的と目標の違いは、この通りです。
目的とは、最終的に何をしたいかということです。そして、その目的を叶えるためにすべきことは何かというのが、目標です。
例えば、「会社の認知度を上げる」という目的に対して、「新規のお客さんに〇〇名にアポイントを入れる」「SNSへの投稿を〇〇件/週する」というのが目標です。
この目的と目標を、会社レベルと個人レベルで一致させることで、部下の自主性を引き出していきます。
当然ですが、目標は、上司から一方的に押し付けたものではいけません。
部下との面談を通じて、目標に対して、合意していることが大前提になります。
レベル3 教え上手になる
部下の育成に悩んでいる人は、教えることで、部下が成長していくものだと思っているのではないでしょうか。
では、そもそも教えるとは、具体的にどんなことなのでしょうか。
教えるとは成果を出してもらうこと
本書では、教えるについて、このように言われています。
成果を出せるような方法を教えて、実際に成果を出してもらうことが、ビジネスにおける「教える」なのです。
そして、この「教える」には、2つの役割、やり方があると言われています。
教える | 役割 | やり方 |
---|---|---|
狭義 | 手元の作業そのものを教える | ティーチング |
広義 | 仕事の考え方や意味などを教える | コーチング |
職場での部下育成研修や上司になったときの研修では、必ずティーチングやコーチングについて学びますよね。
本書に書いてある具体的なやり方は、ぜひ読んで確認していただきたいのですが、まずは、自分自身が受けたことがある研修の内容を思い出してみてくださいね。
レベル4 任せ上手になる
仕事を任せられるようになるというのが、チームの力を最大限に発揮するためには、非常に重要なことです。
任せられないと、どうしても上司である自分の力量以上の成果を上げることはできません。
一方、任せることができれば、部下が持つ力も使うことができるので、足し算ではなく掛け算のように成果を上げられるようになります。
本書の中で、任せることについて、次の4つを正しく伝えることだと教えてくれています。
- 期限を示す
- 優先順位を示す
- 目的・背景を示す
- レベルを示す
僕自身、期限と優先順位を伝えることはしていましたが、目的・背景とレベルについては、ほとんど伝えられていませんでした。
「なぜこの仕事が必要なのか」「どれくらいの完成度が必要なのか」ということです。
だから指示された部下としては、どんな仕事をしたらいいのか分からず、僕が望んでいる仕事を実行してくれなかったんだろうなと思います。
レベル5 本物のチームを作る
レベル4までやってこれたら、すごくいいチームになっているはずです。
レベル5は、ここまでやってきたことの総仕上げのような項目です。
チームビルディングができているかわかる10のチェック項目が用意されているので、これに沿って、振り返りをすることができます。
その他、レベル5では、適材適所の仕事の割り振りやメンバー同士の相性など、少し応用的なテクニックが紹介されています。
さらにチームのレベルを上げたい、上げられると思っている人は、この章をチェックしてみると良いでしょう。
まとめ
本書は、「部下が育ってくれない」「部下が思ったように仕事をしてくれない」と感じている僕には、ピッタリな本でした。
改めて思い知らされたのは、部下の能力が低いから自分の思ったように仕事をしてくれないのではなく、自分の伝え方が下手くそだから部下が仕事がわからないのだということです。
特に、仕事を指示するときの、目的・背景を伝えていないことが、僕のコミュニケーションの課題だということがわかりました。
これからの仕事では、本書に書いてある内容を実践して、より良いチームになるようにマネジメントしていきます。
あなたのチームも、本書を読んで、ぜひレベルアップさせていってくださいね。