【徹底解説】Google流「優れたマネージャーの条件」とは?マネージャーがスキルアップする方法は?
Googleによる「Project Oxygen」という「優れたマネージャーの条件とは何か」を正確に突き止めるためのプロジェクトの研究成果を分かりやすく解説していきます。
Googleは、優れたマネージャーには、10の行動規範があることを突き止めました。
この行動規範を身に付けているマネージャーは、チームメンバーからのコメントも業務評価も、優れていることが判明しています。
併せてGoogleは、優れたマネージャーへとスキルアップするための方法についても紹介してくれています。
この記事では、「優れたマネージャーの条件」と「マネージャーがスキルアップする方法」について、噛み砕いてお伝えしていきます。
すでにマネージャーの立場にいる人、これからマネージャーになろうとしている人は、必ず読み進めてくださいね。
参照:Google re:Work – ガイド: 優れたマネージャーの要件を特定する
:Google re:Work – マネージャー
優れたマネージャーの条件
有能なマネージャーがいるチームは満足度も生産性も高い
そもそも「優れたマネージャーの条件とは何か」を調べることとなったキッカケは、
マネージャーの重要性は低く、マネージャーの質は、チームのパフォーマンスに影響を与えない
という仮説を検証するためでした。
確かに会社で働いていると、「居ない方が仕事がスムーズになる」と感じるような管理職の人がいますよね。
しかし、調査によると、
有能なマネージャーがいるチームは、満足度も生産性も他に比べて高いという結果
が出たそう。
チームメンバーからのコメントと業績評価によって、導き出された答えです。
優れたマネージャーの10の行動規範
研究結果を調べたところ、優れたマネージャーには、次の10の行動規範があることが判明しました。
- 良いコーチである
- チームに任せ、細かく管理しない
- チームの仕事面の成果だけでなく健康を含めた充足に配慮しインクルーシブ(包括的)なチーム環境を作る
- 生産性が高く結果を重視する
- 効果的なコミュニケーションをする-人の話をよく聞き、情報共有をする
- キャリア開発をサポートし、パフォーマンスについて話し合う
- 明確なビジョンや戦略を持ち、チームと共有する
- チームにアドバイスできる専門知識がある
- 部門の枠を超えてコラボレーションを行う
- 決断力がある
これを見たときに思ったことを正直に言いますと、
です。
少なくとも、僕の職場には、絶対にいません。
Googleには、このような人材が集まっているのでしょうか。
しかし、安心してください。
Googleは、優れたマネージャーになるためのスキルアップ方法も紹介してくれています。
マネージャーがスキルアップする方法
マネージャーを育成・サポートする
まず、組織として、新たにマネージャーとなった人材を、育成・サポートする体制を整える必要があります。
辞令を交付してマネージャーに任命して、あとは放ったらかしではいけません。
その上で、Googleがマネージャーに共有しているヒントとして
- 伸ばしたいスキルを1つか2つに絞る。
- チームに聞く。(どのような行動がチームに最も大きな影響を与えるのか)
- スキルアップのロールモデルとなる。
ことが言われています。
参照:Google re:Work – ガイド: マネージャーを育成・サポートする
マネージャーにコーチングを指導する
マネージャーは、チームメンバーを率いるコーチである必要があります。
そのため、マネージャーには、コーチングスキルが求められます。
様々なコーチングがありますが、僕が提供しているPoints of Youというカードを使ったコーチングも、Googleでも取り入れられています。
コーチングは、相手の能力を引き出すのに有効なコミュニケーション手段ですので、ぜひ身に付けてくださいね。
Google re:Work – ガイド: マネージャーにコーチングを指導する
仕事の面だけではなく個人的な面でもチームに配慮する
優れたマネージャーは、目の前の仕事だけでなく、チームメンバーのキャリア形成や感情面への配慮も忘れません。
定期的に1on1ミーティングを行うなどして、チームメンバーの想いを確認するようにしましょう。
Google re:Work – ガイド: 仕事の面だけでなく個人的な面でもチームに配慮する
専門知識でサポートし、結果を重視する
優れたマネージャーは、魅力的な人物であることも条件ですが、仕事で成果に繋がる働き方をすることも条件の一つです。
そのため、常に結果を重視することや、深い専門知識によって、チームの生産性を向上させるような働き方を目指しましょう。
参照:Google re:Work – ガイド: 専門知識でサポートし、結果を重視する
マネージャーにフィードバックを提供する
優れたマネージャーへとスキルアップするためには、チームメンバーからのフィードバックも必要です。
Googleでは、半年に一度、フィードバックアンケートを実施しているようです。
匿名性を保つために3人以上から回答をもらい、結果をもとに業績や給与の評価を行う参考資料としても活用しているそう。
なお、アンケート項目は、次の13項目に対して、同意することができるか否かで回答をしています。
- マネージャーとして他の人に推薦できる。
- 能力を伸ばせる機会を与えて、キャリア開発をサポートしてくれる。
- チームに明確な目標を伝えている。
- 具体的にアクションできるフィードバックを定期的に提供してくれる。
- 仕事に関して自主性を尊重してくれる(マイクロマネジメントをしない)。
- 1人の人間として常に思いやりを示してくれる。
- 困難な状況においてもチームが最優先の仕事に集中できるように取り計らってくれる(他のプロジェクトを断ったり、優先順位を下げたりすることが必要となる時など)。
- 上層部からの重要な情報を随時伝えてくれる。
- 過去半年の間に、自分のキャリア形成について有意義な話し合いの場を設けてくれた。
- 部下を効果的にマネジメントするための専門知識(技術的知識、セールスの知識、経理の知識など)を有している。
- マネージャーとの間で意見の相違があったとしても、自分の意見を尊重してくれていることが行動から伝わる。
- 困難な状況においても優れた意思決定を行える(複数のチームに関連したり、関係者間での優先順位が異なったりしている状況など)。
- チームや組織の枠を超えたコラボレーションを効率よく行える。
参照:Google re:Work – ガイド: マネージャーにフィードバックを提供する
チームのビジョンを設定してメンバーに伝える
ビジョンはチームが成功するためには、必要不可欠な項目です。
チームがやるべきことが明確になっていることで、チームメンバーは、自分たちがどこに向かっているのかを理解することができます。
Googleでは、時間をとって、チームでビジョン設定をしているそう。
- チームのビジョンとは何か?
- チームはなぜ存在するのか?
- 何を達成しようとしているのか?
を表すビジョンを、チーム内で共有するようにしましょう。
参照:Google re:Work – ガイド: チームのビジョンを設定してメンバーに伝える
チームに権限を与える
優れたマネージャーは、チームメンバーが力を発揮できるように、サポートすることが役割です。
そのため、
- 細かく管理しない。
- 自由にやらせつつも必要に応じて助言する。
- チームに対する信頼を明確に示す。
- チームの成果を周囲に伝える。
などを行い、あくまでマネージャー自身がチームのために働いていることを理解していることが必要です。
間違っても、チームがマネージャーのために働いているわけではありませんからね。
参照:Google re:Work – ガイド: チームに権限を与える
マネージャーは、チームにとって極めて重要な存在
Googleの調査によると、
有能なマネージャーがいるチームは、満足度も生産性も他に比べて高いという結果
が現れています。
正直に言って、僕は今まで優れたマネージャーと思える人に出会ったことがないので分かりませんが、
優れたマネージャーの行動規範を持ち合わせた人物と働けるなら、間違いなく生産性も高まり、幸せに仕事ができるようになることは想像できます。
すでにマネージャーの立場にいる人、これからマネージャーになろうとしている人は、ぜひ優れたマネージャーになるためにスキルアップを目指してくださいね。
もちろん僕も、優れたマネージャーになるために、努力していきます。
参照:Google re:Work – ガイド: 優れたマネージャーの要件を特定する
:Google re:Work – マネージャー