あいちトリエンナーレ2019「情の時代」全会場鑑賞後の感想

あいちトリエンナーレ2019「情の時代」

あいちトリエンナーレ2019「情の時代」全会場鑑賞後の感想を紹介します。

一言で言うと、「ジャーナリスト 津田大介さんらしさ際立つ」というのが感想です。津田さんといえば、政治や災害、戦争などの社会問題に対して真っ向から向き合ってきたジャーナリスト。Twitterで「Tsudaる」という言葉が流行っていた頃から知っていたので、あいちトリエンナーレの芸術監督に選出されたと知った時から、とてつもなく大きな期待を抱いていました。

そして、全会場鑑賞した今、大きな満足感を得てこの記事を書いています。作品の面白さや美しさを楽しむことができたのはもちろんのこと、社会問題と一言で片付けてしまうには申し訳ないくらい大きな問題に対するメッセージが詰まった作品展でした。

では早速、あいちトリエンナーレ2019「情の時代」全会場鑑賞後の感想についてお伝えしますね。

あいちトリエンナーレ2019全体のモデルコース・見どころ・楽しみ方などを知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。

ジャーナリスト津田大介さんらしさ

津田大介さん

芸術監督が津田大介さんと決まった時には、僕は胸が踊りまくりました。津田大介さんといえば、社会問題に真っ向から向き合われているジャーナリスト。開催前から、社会へのメッセージを多く含んだ展示会となることは、安易に予想することができました。

そして予想通り、鑑賞後に思うことは、「津田大介さんらしさが際立っていたな」ということ。アートと社会問題の融合具合が、お見事。人によっては、怒りや悲しみ、苦しみを感じる作品もあるかもしれません。けどしかし、日本社会が目を背けようとしている課題でもあります。それらに気づかせてくれるのが、あいちトリエンナーレ2019であり、津田大介さんからのメッセージだと思いました。

「情」は、「感情」と「情報」

愛知芸術文化センター会場 A14「ラストワーズ/タイプトレース」by dividual inc.

あいちトリエンナーレ2019のテーマは、「情の時代」。この「情」の文字には、「感情」と「情報」という意味があるように思います。

作品を観ることで、間違いなく「感情」が揺さぶられます。楽しいとか美しいといった気持ちのいい感情、普段は感じたくないような嫌な感情。鑑賞中に感情がトコトン揺さぶられるので、少し疲れてしまいます。けどこの疲れも、僕には心地よく感じました。

また、マスメディアを通しては伝わってこない「情報」に目を向けられているところも注目です。戦争、原爆、犯罪、反日、自由、表現、死など、安易に触れるには危険が混じっているような情報が盛りだくさんです。ただ、アートと融合しているおかげで、いくらか危険さが親しみやすさに変わっています。この機会で、目を背けてきた社会問題を考えるキッカケをもらえたように思います。

攻めの姿勢

豊田市美術館・豊田市駅周辺会場 T08「「隠されているものと見慣れぬものによるアメリカの目録」「公文書業務と資本の意思」」by タリン・サイモン

あいちトリエンナーレ2019は、攻めの姿勢を強く感じます。先ほども言いましたが、マスメディアを通しては伝わってこない情報ばかり。それはつまり、マスメディアでは、「グレー」なものを取り扱っているからとも言えることでしょう。

作品を「ただ、観る」だけでは分からない。作品に込められた本当のメッセージを読み解くには、歴史を予習する必要があると感じられるものがたくさんありました。

いや、それでもまだ足りない。実際に作品を前にして、そこで感じたものを持ち帰り、勉強する。そしてまた、作品の前に立ってみる。これくらい深く作品と向き合えば、あいちトリエンナーレ2019を楽しめそうな気がしました。全会場を鑑賞しましたが、僕はきっと、もう一度全会場を鑑賞しに行きます。

ダークツーリズム

愛知芸術文化センター会場 A35「ステージの幕」by ピア・カミル

「ダークツーリズム」。あいちトリエンナーレ2019を鑑賞中に、ずっとダークツーリズムをしている感覚になっていたのも印象に残っています。

ダークツーリズムとは

災害被災跡地、戦争跡地など、人類の死や悲しみを対象にした観光のこと。by ウィキペディア(Wikipedia)

人によっては、拒否反応、怒り、悲しみを覚えることでしょう。親子、生死、戦争、憲法、DNAなど、テーマがセンシティブなものが多いです。僕は作品鑑賞中、幾度となく涙が出るのを堪えました。当事者たちの気持ちを思うと、自然と涙が湧いてきそうになるのです。

あいちトリエンナーレ2019は、ある意味で、人間としての度量が試されているような展示会でもありました。作品から「私はこう思うのだけど、あなたはどうなの?」と問いただされている感じです。

地域にスポットライトを

四間道・円頓寺会場 S01「あなたは、その後彼らに会いに向こうに行っていたでしょう。」by 津田道子

あいちトリエンナーレ2019で気になったのは、四間道・円頓寺、豊田が会場になっていること。てっきり長者町や豊橋、岡崎が会場になると思っていたのですが、いままで開催地とならなかったところにスポットライトが当てられていました。

開会式で津田大介さんが「美術ファンだけではなく街の人が楽しめるように」と、地域振興を目指して企画したことを明かされていましたが、それが今までと違う会場を選んだ理由の一つかなと思いました。

というのも、四間道・円頓寺会場は、開催時間が他の会場よりも遅くて12時〜20時までとなっています。朝は他の会場を楽しんでもらって、そこから四間道・円頓寺へやってきてお酒を飲んで帰ってもらいたいという狙いからだそう。津田大介さんの、遊び心を感じます。

あいちトリエンナーレ2019感想まとめ

豊田市美術館・豊田市駅周辺会場 T06b「アセンション・マーク I」by アンナ・フラチョヴァー

あいちトリエンナーレ2019「情の時代」は、センシティブな内容を扱っているだけに物議を醸していますが、個人的にはかなり満足な展示会でした。

アートと社会問題を融合させているおかげで、今まで社会問題に関心がなかった人、アートに関心がなかった人に、関心を持ってもらえるような気がします。

芸術監督 津田大介さんは、「さすが」と言わざるを得ません。

あいちトリエンナーレ2019全体のモデルコース・見どころ・楽しみ方などを知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。

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この記事を書いた人

ぞの

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