【要約まとめ】最高のコーチは、教えない。(吉井理人さん)〜プロ野球コーチが実践するコーチング術〜
カードを使ったコーチング「Points of You」のコーチ”ぞの”です。
僕は、幼い頃から野球をやっていたこともあったので、吉井理人さんがコーチング本を出版されているのを見つけた瞬間に、読み始めちゃいました。
吉井理人さんは、現役時代はメジャーリーグでも活躍していて、日本プロ野球界で投手コーチをしている方です。
それでいて、引退後には、筑波大学大学院でコーチング理論の研究もされていたそう。
そんな吉井理人さんのコーチング本は、150人以上にコーチングを提供してきた僕にも、非常に学びを与えてくれました。
本書の言葉の一つ一つが、考えて実践を重ねてきたものからと伝わるので、重みを感じるのです。
有名人が自分の名前を使ってお金儲けしようとしているような、よくある本とは全く違います。
本気でコーチングに役立つ内容が盛りだくさん。
特に、野球が好きな指導者や上司、コーチには、響くものが多いはずです。
この本には、コーチとしての在り方やコーチングの実践方法まで示されていますが、ピックアップして重要なことをお伝えしていきます。
コーチングに興味のある方、実践している方に、とってもオススメの本です。
では、続きをご覧ください。
吉井理人さんとは→フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コーチという仕事とは
野球のコーチのイメージは、選手に一方的に技術のことを教えることをイメージすると思います。
僕自身も、小学校から高校まで野球をやってきた中で、ずっと一方的に教えられ続けました。
「投げ方はこうだ!」「基本と違う!」そんなことを言われたのを覚えています。
それでは当然、言われた方は、いい気分がしません。
教えてもらえて有難いとは思うものの、わざと失敗しているわけでもなければ、自分なりの考えだって持っています。
こういった選手の気持ちに寄り添って書かれているのが、本書「最高のコーチは、教えない。」です。
吉井理人さんは、こう言います。
コーチの仕事は、選手が自分で考え、課題を設定し、自分自身で能力を高められるように導くことだ。
「指導者=教える人」という常識に、真っ向から立ち向かっていくのが痛快です。
このコーチの仕事について、丁寧かつ実践方法が記されているのが本になります。
誰でもコーチングができる質問
本書で繰り返し言われることは、教えるのではなく「聴く」ということ。
選手がどう感じているのか、考えているのかを知らなければ、指導の仕方が分からないからです。
そこで、本書の中で紹介されている質問を紹介したいと思います。
この質問を見ていただければ、今までの指導との違いを感じていただけるはずです。
ある投手に今日のピッチングについての質問をするケースで考えてみる。
「今日のピッチングは、自己採点で何点だった?」
「今日のピッチングで、良かった点はどこ?」
「逆に、今日のピッチングで悪かったところはどこ?」
「今日のピッチングで,失敗したところはどこ?」
「失敗したシーンで、もしその場面に戻れるとしたら、どういうことをしたい?」
「それをするために、何か準備をしておいたほうが良かったと思うことはある?」
「それらを踏まえて、次の登板に向けて何をしようと思う?」
当然、選手が質問に答えている間は、ずっと聴いているだけです。
実際に、これをあなたが質問しているところを思い浮かべてみてください。
選手が、自分自身の力で課題を見つけ、解決のために動き出す姿が想像できるのではないでしょうか。
これぞまさに、コーチがやるべき仕事だと思います。
コーチが学びをやめたら、教えることもやめるべき
本書の「おわりに」に書かれた言葉が、個人的にすごく重要と感じたのでご紹介です。
選手のタイプは無限だ。その組み合わせを考えると、仕事方法の引き出しを増やす努力を怠ることは、コーチとしての存在意義を放棄することになる。コーチが学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない。
いかがでしょうか。
何か刺さるものはありませんでしたか?
僕自身は、胸に手を当てて考え始めてしまいました。
日頃から、あらゆる知識を学んでいたつもりでしたが、クライアントのタイプに対応するためには、まだまだ足りないと思ったからです。
指導方法は、少なく見積もっても「人の数×悩みの数」は、あるはず。
つまり、無限大というワケですよね。
コーチングを提供するだけでなく、スキルを磨くということにも、全力を注がなければいけない。
僕の心に火をつけてくれる、素晴らしい言葉でした。
本書は、コーチングに興味のある方、実践している方に、とってもオススメの本ですよ。
なお、僕のコーチングは、こちらから受付中です。
“自分らしさ”をテーマにしたセッションが得意なので、迷いがある人は、ぜひお申し込みください。